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伊藤華英
所属:セントラルスポーツ
出場種目:100m・200m背泳ぎ |
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――昨年の日本選手権が終わって、ここまでどのような環境で練習されてきたのですか?
伊藤「オリンピック代表選手選考会のあとは、いろんな方にアドバイスをいただいて、少しゆっくり練習しようという気持になりました。私の場合、いつもは練習でも完璧にやり遂げたいタイプなのです。でも、小島竜司先生(セントラルスポーツ)から「練習なんだから失敗してもいいんだよ」と言われて、納得して取り組むようになりました。練習は練習で自分を試して、レースでは競うことを楽しもうと。今シーズンがはじまってからはまた違いますが、昨シーズンが終わるまではそういう気持でしたね」
――アテネオリンピックをご覧になって、どのような感想を持たれましたか?
伊藤「もし自分がオリンピックに行っていたら、どうなっていただろうと思いながら見ていました。やはり金メダルを3つ取って、メダルラッシュだったということもあり、日本の選手が強くなったなという印象です」
――伊藤選手と同じ種目の女子背泳ぎでは、中村礼子選手が銅メダルを獲得しました。
伊藤「(緊張を和らげるために)手に字を書いて臨んだと聞いていたので、それくらい極限の精神状態だったと思います。バックストロークを見ているときはやはり悔しいと思いましたが、他のレースからすごく感動をもらったし、自分もその場に立ちたいという思いが強くなりました」 |
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――今シーズンはワールドカップにも参戦されましたが、調整は順調ですか?
伊藤「徐々にですが、気持の中にゆとりができて、自分を客観的に見られるようになってきました。自分に足りないものが少しずつだけど、具体的に見えてきています。たとえば、一本のレースに集中すること、他のことは考えないということですね。
また、短水路ということもあり、優勝できたことはうれしかったです(ストックホルム大会女子200メートル背泳ぎ、ベルリン大会女子200メートル背泳ぎ、モスクワ大会女子200メートル背泳ぎ)。もともとターンは苦手だったのですが、短水路ではそのターンが多くなるし、外国人の選手はパワーがあるので、その中で勝てたことは自信になりました」
――泳ぎの面でこの一年、何か変化はありますか?
伊藤「大きく泳ぐことを以前よりは意識しています。そんなにガシガシと水をかかない。大きなストロークで長く進む。昨年はオリンピック前だったので、すごく激しいトレーニングをしていましたが、今シーズンからはベースとなるコア(体幹)を鍛えたり、足の筋肉でもベースを作ることを心がけています。体幹をしっかり鍛えることによって、泳ぎがブレなくなります。軸がブレなければ水の抵抗を受けません。いかに楽に、なおかつ速く泳ぐかというところで、当然、ブレない泳ぎの方がいいですからね」 |
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――日本選手権に話を移します。これまで特に印象に残っている大会はありますか?
伊藤「やはり初めて出場した、2000年のシドニーオリンピック選考会ですね。高校1年で15歳でした。頑張りすぎて、熱が出てしまいました(笑)。100メートルですごくいいタイムが出て、調子がいいと思っていたのですけど、200メートルの準決勝が終わったあとの帰りの車中で、いきなり熱が出ました。決勝戦は点滴を打って出場しましたが、結果は200メートルで8位でしたね(100メートルは6位)。雰囲気には圧倒されましたが、その中で熱が出たレース以外のすべてでベストが出せたことはよかったと思います」
――大舞台で力を発揮する秘訣はあるのですか?
伊藤「いやあ、私もそれが分からない(笑)。そのときはまだ何も知らなかったし、自分の力を出すということにこだわりもなく、本当に水泳が楽しかった。調子もよくて、当時は大きな試合が好きでしたね」
――2003年の世界水泳バルセロナの選考会は、200メートルで優勝しました。
伊藤「あの時は、水に乗っていたという感じで好調でした。前年のパンパシ水泳横浜の選考会で敗れていたので、その悔しい思いがレースで出せたのかもしれません」
――背泳ぎの場合、ライバル関係も周囲から注目されます。
伊藤「高校生のときは、ライバルがいるということが当たり前だと思っていました。でも日が経つにつれて、「どうして同じタイムで泳ぐ人がこんなにいるんだろう」と(笑)。でもそこは、勝負の世界ですからね。たくさんのライバルがいて注目されるのはいいことだし、その中で自分のレースができるようになればと思います。そういう仲間がいるということは、楽しいことですから」
――結果は残念でしたが(100メートル背泳ぎ5位、200メートル背泳ぎ3位)、昨年の日本選手権を振り返っていただけますか?
伊藤「あの大会は本当に、雰囲気に飲まれたという気持です。普通にやってきたことを出すことができればオリンピックにも行けたと思うし、そういう意味では自分に負けたことが悔しかった」
――逆に収穫はありましたか?
伊藤「もちろんありました。緊張しているのは、みんな一緒だなと。その中で冷静にレースを考えることの出来た人が、オリンピックに行けるのだなと思いました。課題は自分に集中することですね」
――100メートル背泳ぎのレース後、オリンピック出場を決めた稲田法子さんを気遣うシーンが印象的でした。
伊藤「稲田さんとは、一緒に頑張ってきたという思いがありましたから、オリンピックの出場が決まって本当にうれしかった。でも、そういうところでも人を気にしすぎたのかもしれません」
――伊藤選手にとって、日本選手権はどういう位置付けの大会ですか?
伊藤「やはり世界選手権や世界大会よりも緊張するし、日本の中で一番大きな試合ですから一目置いています。毎年、トレーニングの開始は10月くらいから入るのですが、そこから日本選手権のために取り組んでいる部分が多いですね。まずは日本選手権で結果を出さないことには、世界大会には行けませんから、重要な大会として見ています」
――今回の日本選手権の見どころを教えてください。
伊藤「やはりオリンピックが終わって、たくさん若い選手も出てくると思います。ベテラン選手と若手選手といった、そういう対決もあるのではないでしょうか。ジュニアの選手は勢いがあるし、自分もそうでしたから」
――最後に伊藤選手の具体的な目標と意気込みをお聞かせください。
伊藤「やはり代表に入ることですね。それが第一です。新たな気持で日本選手権に臨んで、自分で納得いく泳ぎと結果を出したいと思っています」 |