Japan Swim Short 2005
TOP > レポート > 選手インタビュー 
ダイジェスト
更新履歴
大会概要
競技日程&結果
会場アクセス
チケット詳細
放送日程
取材要項
レポート
日本語 English
第80回大会プレビュー
レポート
選手インタビュー
森田智己

所属:セントラルスポーツ
出場種目:50m・100m・200m背泳ぎ
アテネ五輪:100m背泳ぎ銅メダル、4×100mメドレーリレー銅メダル
――さっそくですが、2月の日本短水路選手権は大活躍でしたね。
森田「日本新記録を出すことと、日本の選手に負けないことが自分の中で絶対条件でした。そして、マット・ウェルシュ選手(オーストラリア/短水路50m世界記録保持者)が来るということも聞いていましたから。オリンピックでは勝つことができましたけど、それまでの実績を見るとやはり彼の方がレベルは上。でも、オリンピックの次の年ということで、そこまで集中して練習していないだろうと感じていました。もしかしたら勝てるかもしれないと。だから、本当に欲を言えば、全部勝ちたかった。そして自分も、もっと速いタイムで泳ぎたかったです」
――3種目とも日本新記録をマークしましが、何か特別なトレーニングはしていたのですか?
森田「とはいえ、どのレースも若干失敗した部分があったので、もう少しタイムが出たかなというレースばかりでした。特に体作りをしてきたので、その成果は表れましたね」
――一番の収穫は何でしょうか?
森田「あまり調子はよくありませんでしたが、その中でいい泳ぎはできました。あと、やはりスタートやターンの部分で、もっと詰めていける部分があることも実感しました。それにレースに集中することができました。調子が悪いとか、体調がよくないとか、いろいろな精神的な要素も含めて、マイナスに考えてレースを終わらせることのないように、という集中です。どんなときでも絶対に自分のベストの泳ぎをする、そういう集中ができたのではないでしょうか」
――森田選手にとって、今年の日本選手権はどういう位置付けですか?
森田「あと1ヶ月くらいあるので(3月29日取材)、具体的なプランはこれから煮詰まっていくと思います。よほどのことがない限りは、代表には入れるでしょうから。ただ、今回は準決勝がないということで、予選からハードになるような気がします。その中で、何か自分の中で考えながらレースに臨めたらいいですね。そして、今回は自分としては、100メートルよりも200メートルでいろいろ考えて泳いでみようという気はしています。北京に向けての1年目ですから、今年は200メートルも頑張ってみようと」
――初めて日本選手権に出場されたときのことを覚えていますか?
森田「シドニーオリンピックの選考会ですね。その年の北島康介選手の100メートル平泳ぎは、本当に感動というか、すごく興奮したのを覚えています。泳ぎもそうですし、雰囲気も全部。本当にかっこよかった。これがオリンピック選考会か、これがトップなんだなと。だから、初めて出場した大会でしたが、いろいろなことを見ることができたし、学ぶことができました」
――逆に、一番印象に残っている日本選手権は?
森田「去年ですね。終わってみればタイムもよかったし、オリンピックにも行けた。今考えればもう少しこうすればよかったという部分はありますが、3種目とも勝てたからよかったですね」
――アテネオリンピックでは2つの銅メダルを獲得しました。会心の泳ぎでしたか?
森田「そのときは一番いい泳ぎをしたと思いました。今考えたら反省もいろいろ出てくるし、そこで出なかったらアスリートとしては終わりでしょう。周りの人からは『仕掛けるのがもう少し早ければ…』と言われましたけど、あの時はあれが一番いい展開だった。会心のレースだったのではないでしょうか」
――最後のターンは6番手でした。頭の中ではどのようなことを考えていたのですか?
森田「何番かまでは分からなかったですけど、メダルの位置にはいないということは分かっていました。前半をターンして両隣には抜かれていたけど、全然焦ってはいなかった。後半勝負だと思っていましたから。だけど、タッチするまでは、本当に自分が何番かというのは分かりませんでしたね。
掲示板を見ても、はっきりとは分からなかった。自分は3コースだったので、最初は「3」コースの「3」だと思いました(笑)。たぶんあのレースは、掲示板を見ずに順位が分かった人はいないのではないですか。きっと、タッチした瞬間、みんなが掲示板を見ましたよ」
――オリンピックのムードは特別でしたか?
森田「一言では言い切れないですね。オリンピックの前は(鈴木)大地さんらに、いろいろ話を聞きました。でも、みんな凄いとしか言わないんです。でも、やっぱり凄かった。それしか言えないですよ。予想以上でした。だから、あの雰囲気は行かなければ分からないですね」
――収穫はありましたか?
森田「他のファイナリストも緊張するような場面で、すごく周りが見えていました。やはり、みんな緊張するのだなと思いましたね。そのような中で、うまく自分のレースをするように気持を持っていくこともできたし、自分のレースができたことは大きな収穫です」
――メドレーリレーでも銅メダルでした。やはり個人種目とは違った思いがあるものですか?
森田「それは違いますよ。僕は4年間代表チームに入りましたけど、あの4人がそろったことはそれまでなかったし、もしかしたら北京でもないかもしれない。そうすると、日本チームとしてメダルを取ることはこれからもあるでしょうが、あのメンバーで取るのは一生で一度きりかもしれないですから。それがまた、オリンピックという大舞台ですからね。やはり個人種目とは違います。
リレーは競泳の中でも最後の種目だし、本当にみんなで応援してくれていたのが見えました。それはどの国でも同じ。リレーはやはりいいものですね」
――背泳ぎは第一泳者でした。プレッシャーはありませんでしたか?
森田「ないですね。後ろにコウちゃん(北島)がいて、貴司(山本)さんがいると、自分が多少遅くても何とかしてくれるのではないかという思いがあります。後ろの存在が大きいですから、すごく楽だし、楽しいですよ。絶対的なエースがいて、うまくリラックスさせて気持をレースに持っていけるようにしてくれたムードメーカの貴司さんの存在がありましたから」
――日本選手権とオリンピックの雰囲気で、一番の共通点と一番の違いは何でしょう?
森田「一番の共通点は、みんなが必死というところ(笑)。違うところは何だろう、お客さんは熱いし、みんなが盛り上げてくれるところは同じ。やはり、ぎりぎりのところで勝負している選手にとっては、集中も気合いの入れ方も、オリンピックに近いものがあるのではないでしょうか。
僕個人は日本でのレースは自分との勝負だと思っています。日本でコンマ1秒、2秒の勝負をしても、お客さんは喜ぶかもしれないけど、「何をやってるんだ」という人の方が多いと思う。たとえば、なぜ北島康介を見に来るのかというと、世界新記録を作るところを見たいからでしょう。だから、それくらいのタイムで泳がないと、誰も自分のことを覚えてくれないですよね。背泳ぎで誰かが日本新を出したねと。その誰かでもいいのですが、日本新も出なければ何も覚えてもらえないですから」
――そういう意味では、ゴール後のパフォーマンスも意識されているのですか?
森田「去年はいろいろ考えていました。気持が入っていたから、勝ったらやろうと思っていたのです。でも今年はおとなしく、少しクールにいこうかなと思っています(笑)」
――森田さんからご覧になって、今回の日本選手権の見どころは?
森田「やはりメダリストは見ておいた方がいいでしょう。ただ、メダリストだからといって、確実に日本記録や世界記録を出すかといえば、そうは思ってほしくない。もしかしたら日本選手権では100パーセントまで仕上げてこない人もいるでしょうから。でも、やはりメダリストは強い。入場からスタート台に立つその間、他の人とは違うことをしているかもしれないし、オーラがあるかもしれない。そういう部分を見るだけでも価値があるだろうし、メダルを取る人はこうやって集中しているのかという部分を見れば、また違った楽しみ方があるのではないでしょうか」
――最後に改めて日本選手権に向けての意気込みをお聞きします。ファンの方にこんな森田智己を見てほしいというところがあれば教えてください。
森田「お客さんをがっかりはさせたくない。そして、自分もがっかりしたくない。クールにと言いましたけど、実際はすごく気合いが入っていると思いますよ(笑)。やはり出るからには、日本新を3つくらい出したいと、正直なところ思っています。いくら通過点といっても、冬も泳いでいたわけですから、その成果が出せればいい記録がついてくるので、頑張りたいです」
→ BACK 
copyrights