Japan Swim Short 2005
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第80回大会プレビュー
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選手インタビュー
奥村幸大

所属:近畿大学/イトマンSS
出場種目:100m・200m自由形
アテネ五輪:4×100mメドレーリレー 銅メダル
■自由形だって世界を相手に戦えるはず
――自由形は競泳競技の華ですよね。奥村選手が自由形を選んだのは、やはりかっこいいからですか?
奥村「クロールで誰よりもいちばん速く泳ぐのはカッコいいと思います。でも、僕が自由形を選んだのは、背泳ぎやバタフライもやっていた中で、日本でトップをねらうなら自由形がいちばん近かったし、やりがいがあると思ったからです」
――日本でトップになることはできても、世界を目指すとなると自由形は日本人にいちばんきびしい種目だと言われますが。
「体格や体力の面で劣ることは、確かに不利です。でも、だからこそやりがいがあるのだと思っています。ほかの種目は、今、日本選手が世界のトップと肩を並べていますよね。自由形だけが無理だと思われるのは悔しいし、間違いだと思います。僕の身長が5cm伸びたら、タイムを縮めるのは簡単かもしれない。でも、体が小さいことがハンデだなんて思いたくありません。自分の体を生かした泳ぎ方はあると思うし、もっと鍛えることで肉体的な成長もできるはずです。さすがに100mは難しくても、200mならチャンスはある。そう信じているから、僕にとっては自由形こそやりがいのある種目なのです」
■肉体改造でスランプ脱出
――昨年の日本選手権で2年半ぶりに自己の日本記録を更新して優勝しましたよね。何か特別なトレーニングをしたのですか?
「記録が伸びなかった2年半はほんとうに苦しみました。いくら練習しても結果が出なくて、水泳を止めようと考えたこ時期もあったし、種目の転向を勧められたこともありました。でも、周囲の人たちにも励まされて、とにかくオリンピックをめざしてがんばってみようと思ったのです。
そのとき、コーチとも相談して、スランプから脱出するためには、これまでの自分を変えなきゃいけないということになりました。そのためには、まず体を造り直すことからはじめようということで、専属のトレーナーについてもらって肉体改造に取り組みました。トレーニングの成果が現れ、体が出来上がっていくにつれて、僕の気持もプラスの方向へと転換されてきたように思います。プールでの練習メニューは以前と変わらなくても、体と気持が変わることでいい泳ぎができるようになった気がします。
レースで結果を出すには、体力やテクニックも必要ですけど、精神面の充実も必要です。世界のトップスイマーたちを見ていると、メンタルのたくましさ、心の強さというのを感じます。ただたくさん泳いだり、トレーニングするだけでなく、何のために練習しているのかをきちんと理解しながら、体と心と技術をバランスよく鍛えてゆく必要があるのだと感じています。そのことに気付いて、努力を重ねた結果が昨年の日本選手権での記録更新という形になりました。周りの人の励ましと、自分を信じて努力したことが報われて素直にうれしかったですね」
――いいトレーニングといい練習ができて、昨年は記録を伸ばせるという予感があったのですか。練習でいいタイムが出ていたとか。
「練習は本番でいいタイムを出すためのものですから、練習で記録を出すような泳ぎはしません。以前は練習でもがむしゃらに泳いでいたこともありましたけど、今は本番での作戦を考えながら、本番でタイムを出すための泳ぎをしています。でも、順調に仕上がっているのは実感していましたから、自信はありましたよ。
200mの決勝のとき、やたらと水がきれいに見えたのです。スタート前から水面がキラキラ光って見えて、泳いでいるときも水中が明るくて、前に誰もいないから波もなくて気持いいなぁって。これはいいタイムが出せるかもしれないなぁって思いながら泳いでいましたね」
■可能性があるから努力を続けたい
――日本選手権で努力の成果が実り、オリンピック代表になってメドレーリレーで銅メダル。昨年はいい1年だったですね。
「はい。でも僕が獲ったメダルはリレーですから、今度は自由形という個人種目で結果を残したいです。200m自由形で僕は10位でしたから、あと2人倒せば決勝に出られたわけです。そう思うと悔しくて。
だけど、言い訳に聞こえるかもしれませんが、アテネオリンピックではリレーでがんばろうと思っていたのです。コーチからメダルのチャンスだと言われましたし、自分でもそのとおりだと思いましたから、合宿のときからリレーを意識してやっていました。だから結果には満足しているし、うれしかったのですけど、200mに集中すればもっといい結果を残すことができるんじゃないかという気持も出てきた」
――今年の世界水泳、そして2008年の北京五輪に向けて意欲がわいてきたわけですね。
「意欲というか、自分にもまだ可能性があると思っています。今が限界ではないと。まだできると感じたから、努力を続けようと。
世界水泳とか、まして次のオリンピックとか具体的な目標を設定しているわけではないのです。もちろん、日本選手権でいいタイムを出して、世界選手権の代表に選んでもらえたらいいとは思っています。100mでずっと言われ続けている50秒を切るとか、200mは去年目標にしていて果たせなかった1分47秒台で泳ぎたいという気持はあります。でも、あまり気負わずにいきたいですね。以前は大きな目標を宣言して自分を奮い立たせるようなところがあったのですけど、最近変わってきたみたいです。タイムは自分が積み重ねてきたことの結果ですから、結果だけにとらわれたり、タイムに固執したりしないで、自分がやるべきことをやればいいと思っています」
――最後に、今年の日本選手権、自由形の見どころは?
「うーん、難しいなぁ。自由形といっても、50mから1500mまでありますしね。僕の出場する100mと200mについて言えば、日本人で初めて100mで50秒を切る瞬間を見られるか、200mでは1分48秒を切る日本記録が出るかが注目なのでしょうね。でも、あまり期待されても困るしなぁ(笑)。とにかく、みんな一所懸命がんばっていますから、楽しく応援してください。よろしくお願いします」
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