|
上田春佳は五輪イヤーの昨年で急速に成長し、力と自信をつけた選手だ。1月の東京都北部ブロック記録会200m自由形で、萩原智子が02年以来保持していた短水路日本記録を0秒09更新する1分56秒49を出した。
五輪代表選考会だった日本選手権では、個人種目では派遣標準記録を突破できなかったが、100mと200mを初制覇。4選手の合計タイムで設定された800mフリーリレーと、400mメドレーリレーの派遣標準を突破して、初の五輪代表を手にしたのだ。
女子自由形の世界への挑戦。その先陣役を担うことになった上田は、6月のジャパンオープンでさらに勢いをつけた。最初の200mで千葉すずが9年間保持していた女子競泳最古の日本記録を、一気に1秒03更新する1分57秒75の日本新をマーク。翌日の100mでも、日本記録にあと0秒08まで迫る55秒05の自己ベストを出したのだ。 平井伯昌コーチの下で、北島康介や中村礼子の“闘う姿勢”を学んでいた上田は、五輪という大舞台でも怯むことはなかった。200m予選で1分57秒64と自身が持つ日本記録を更新。準決勝ではタイムを落として13位と決勝進出を逃したが、予選で出した記録は決勝なら6位に相当するもの。「闘える!」という実感を得た。
そして翌日の800mフリーリレー予選でも、第1泳者で1分58秒09で引き継ぎ、チームの日本記録樹立と8位での決勝進出を果たす立役者になったのだ。
6位になった400mメドレーリレーを含め、2本目のレースではいずれもタイムを落としたという反省はあったが、彼女が初の五輪で得たものは大きい。その成果は09年になっても、1月の東京都北部ブロック記録会や2月の東京都記録会、日本短水路選手権で100m、200mでの日本新連発になって現れている。「世界選手権の200m自由形で決勝進出」の夢は、もう現実のものになっている。
※写真は競泳ジャパンオープン2009より
|