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競技委員長という立場から、希望的観測として、お話させていただければと思います。
昨年を振り返りますと、シーズンが引っ張られまして12月の東アジア大会まで、競技強化を進めた選手、もしくはローマの世界選手権が終わってから半年間強化をしていた選手は、12月、2月という形で強化を組んでおります。そして、ここまでの直前の強化としては、各所属での強化となりますが、多くのチームは学校、クラブで外国を中心に、なかには高地トレーニングをしてきたチームもいます。また、国内でしっかりやってきた選手もいます。
3月にはコロラドスプリングスのほうで、強化選手、準強化選手、ジュニアエリート、高校生で水泳連盟の標準記録を突破している選手等を集めて、3月1日から25日まで強化合宿を実施しました。現在のところ、細かいケガの報告はありますが、大会に出られないという報告は来ておりません。
女子では伊藤華英が背泳ぎでエントリーしておりません。また稲田法子がエントリーしております。エントリータイムとしましては、昨年のFINAランキングで71位の50mが29秒07、彼女は五輪ではシドニー、アテネ、2003年のバルセロナでの世界選手権では銅メダルを獲得している種目にもなります。同じく100mでは1分00秒64という記録でも泳いでいます。
この大会では、まず8月に行なわれるパンパシフィック選手権の代表を選考します。合わせてアジア大会の選考も行ないます。
このアジア大会の選考につきましては、日本選手権も選考会に兼ねておりますので、優勝すること、および派遣標準記録のSおよびⅠを突破した選手は1名だけ、アジア大会の代表権を獲得ということになります。その他はすべてパンパシフィック選手権が終わった段階で、アジア大会の代表を決定していきます。
先の話になりますが、アジア大会でいうと男子の比率が非常に多く、仮想でいうと中国との戦いになってきます。メダルの争いもありますが、金メダルの争いということになってきますので、当然自由形は厳しいとしても、特種目はすべて、女子はすべて中国が上です。そうしますとパンパシフィック選手権が終わった段階で男子のほうに比率を置いて、女子は2名派遣したとしても、中国選手が1、2位で来れば銅メダルがいいところです。ただ種目によっては戦える種目もありますので、2名フルエントリーする可能性が少なくなってくるかもしれませんが、1人の選手で2種目出るという可能性もありますので、そういう部分は終わった段階で決定すると思います。現状、JOCと人数の折衝をしております。最低限、前回並みの人数は派遣できると思いますが、パンパシフィック選手権が終わった段階での決定です。
今まででありますと主要大会の第1番に位置づけていたのが、パンパシフィック選手権でありましたが、今回は五輪を想定しまして、最大の目標はアジア大会です。そしてパンパシフィック選手権を、その通過点として考えています。諸外国で言いますと、同じような形で大陸大会となっています。アメリカで言いますとパン・アメリカン大会、世界大会は行なわれませんが、パンパシフィック選手権の前に行なわれますヨーロッパ選手権をひとつの仮想のタイムとし、水着やその他の問題を考えて、この中間年、どこまで戦える位置にいるのかという部分になります。話は戻りますが、日本選手権はコーチ陣から「水着」という言葉は聞こえなくなっています。諸外国も国内選手権が終わり、オーストラリア、カナダ、イギリス、それぞれ終わっていますが、私から見ますと、水着の影響はやはりあります。
しかし日本は昨年の出遅れも含めまして、日本に有利なルール変更であってほしいと思っていますので、皮下脂肪の少ない、効率のいい、浮力のある、足の強い、それぞれの選手が活躍してくれることを期待し、また自己ベストまたは日本記録の更新なども期待していきたいと思っております。
■男子自由形
まず50mですが、伊藤真(ミズノ)、堀田和久(きらら山口)。堀田や河内勇輝(自体校)らは、ほとんど実力の差がないのではないかという状況です。ここで実力が出てくるのは、予選、準決勝、決勝と3回泳がないといけないということで、競技変更しています。
いかに効率よく、予選、準決勝、決勝を泳ぎ、決勝で派遣標準記録を突破できるかという部分で期待しております。予選、準決勝は当日行ないます。準決勝から決勝は24時間空きますので、この時間のコンディション調整、精神的なコントロールがポイントになると思います。
100mも同じですが、私の希望的観測を言いますと、12月に藤井拓郎(KONAMI)が日本記録を更新しています。このタイムがどのように変化してくれるのか。2月のJAPANOPENでは藤井選手は剥離骨折をしていましたので、思ったようなタイムを出せなかった部分はありますが、このタイムに近づけるかというところです。合わせて100mに関してはアジア大会を睨んで、リレーの戦力となる4名の選手の選考が考えられます。
同じく200mでは奥村幸大(イトマン)がオリンピック、内田翔(群馬ヤクルト)が昨年の世界選手権と決勝に残っていますが、今回も戦えるかという部分が問われると思いますし、昨年の世界選手権で800mリレーが4位という順位でしたので、メダルにも近く、こういった選手はモチベーションも高いのではないかと思っています。諸外国を見ていますと「これは」という記録が何個かあります。また若い選手の台頭が著しいという印象もあります。日本の場合、ベテラン選手の活躍はだいたい期待できるのですが、こういったところに小堀勇気(能美SC)などが入ってきてくれることを期待します。
400mは内田翔、松田丈志(東海SC)、若手の東隼平(KONAMI林間)、日原将吾(あかやまSS)もJAPANOPENを見ますと安定しています。ひとりの選手が跳びぬけているということではなく、400mは準決勝はなく、その日の予選、決勝となりますので、予選を終えてからの決勝までのコンディションの整え方なども見てもらえればと思います。
800mも五輪種目ではないのですが、東アジア大会では宮本陽輔(鹿屋体育大)が優勝しています。合わせて1500mは園中良次(きらら山口)、宮本、東、このあたりの戦いを期待しているところです。
■男子背泳ぎ
100mの入江陵介(イトマン)、古賀淳也(稲泳会)は非常にレベルの高い争いになると思います。古賀は新しい水着で、関西選手権で53秒台前半できてるということで、52秒台を出せば、世界ランキングでトップの位置に来ると思います。しかし、この自己ベストにいかに近づけるかというところもあります。この二人はロンドン五輪で、金、銀のメダルを争ってもらえるという期待もこめて、高いレベルの争いを望みます。
200mについては入江は記録との戦いになってきます。合わせてベテランの中野高(ミズノ)がいくのか。また渡邉一樹(セントラルスポーツ)、若手の多田邦徳(スウィン鴻巣)、荻野公介(御幸ヶ原SS)などが期待できるところではないかと思います。
■男子平泳ぎ
北島康介(コカコーラ)の復帰が一番ということだと思います。
日本に帰っての平井コーチとのトレーニングというのは、北京五輪が終わってからも何回かありましたが、今回は五輪後初の合宿トレーニングを行なったということで、期待できるかなと思っています。またシドニー以降の五輪は、彼に重いものが背負わされていたという状況がありますので、今後は入江、古賀にしっかりと背負ってもらえる状況になってほしいと思いますし、出る以上は彼も立石諒(慶應義塾大)に負けないつもりで出てくると思いますし、立石も若手という年齢ではありませんが、予選、準決勝の泳ぎで北島にプレッシャーをかけられるような状況で勝ち残っていってもらいたいと思います。
おそらく北島は常に予選、準決勝、決勝を視野に入れて戦ってきました。立石も決勝だけで勝負するようなレースではなく、予選、準決勝、決勝を視野に入れて、世界で戦えるような勝ち残っていってもらいたいなと思います。
その他100mでは、富田尚弥(中京大)の成長が著しいと思います。スピードもついてきて、泳ぎもダイナミックになってきてるなと思いますし、立石といい勝負ができるんじゃないかと思いますね。ベテランの末永雄太(T.アリーナ)も北京五輪の代表としての意地もあると思いますし、ここも非常にレベルの高い戦いになるのではないかと思います。
北島は調子のいいときは故障する可能性もあると思いますが、そこは本人も充分に分かっていると思います。彼が独特の泳ぎで水が引っかかり過ぎてしまうんですよね。それが原因で肉離れを起こしたということもありましたが、こういう失敗はないと思っています。
■男子バタフライ
スプリンターのところでは高安亮(KONAMI)、河本耕平(SNW)といますが、あとは岸田真幸(キングソフト)もアメリカで結果を残してきています。この辺りに藤井もからんでくると思いますが、ここは日本記録の更新を期待したいところです。
世界の状態を見ていますと、オーストラリアあたりで若手の選手が51秒台後半で出てきていると。51秒台が出れば御の字という部分はありますが、日本の場合、上記の3選手が競り合うことでレベルの高い争いになるのではないかと思っています。
200mに関しては順当に松田が来ると思いますが、JAPANOPENで結果を残している佐野秀匡(ミズノ)。佐野は中間年に強いですから、彼はアジア大会も前回優勝していますので、今年も期待したいと思います。その二人の戦いに合わせて、坂田龍亮(セントラルスポーツ)も昨年のユニバーシアードの活躍や世界選手権の経験を活かしてほしいと思います。また金田和也(金田SC)、小堀らのベテランの争いも期待されるところだと思います。
■男子個人メドレー
個人メドレーにつきましては、高桑健(自体校)。森洋介(法政大)の状態があまり良いとは聞いていませんが、藤井、荻野、佐野、この辺りの選手のベテラン、若手の争いに注目したいと思います。
200mについては予選、準決勝、決勝とあるので、力のない選手は準決勝あたりで力尽きてくるのかなと思いますし、最後の決勝でタイムを上げて優勝してもらいたいと思います。400mに関しては、森に実力があるわけですが、堀畑裕也(日体大)、荻野あたりに勢いがあるように思います。
■女子自由形
女子の50mにつきましては萩原智子(山梨学院)が、どこまで活躍するか注目されるところですが、山口美咲(イトマン)、上田春佳(東京SC)、伊藤華英(セントラルスポーツ)。特に伊藤は、今年は自由形1本で来ています。
200mに関してですが、2分そこそこで代表にというコーチの話を聞いていますが、ここは上田に引っ張ってもらって、57秒、58秒での代表争いをしてもらいたいというのが、私の希望的観測です。
1500mに関しては、誰が勝ってもおかしくないという状況だと思います。
■女子背泳ぎ
女子背泳ぎに関しましては、酒井志穂(ブリヂストン)、寺川綾(ミズノ)がいます。酒井に関しては、今年に入ってから体調の悪さを訴えていますが、今大会はしっかり決めてもらいたいと思います。若手では神村万里恵(セントラル成瀬)に期待です。
200mでは神村が代表にならないとおかしいというくらいの急成長ではないかなと思います。寺川も平井コーチの話では感触はあるとのことです。ただ一番怖いのは神村の存在ではないかなと思います。
■女子平泳ぎ
100mに関しては鈴木聡美(山梨学院大)のスピードがどこまでいくか。あとは松島美菜(セントラルスポーツ)も去年のオーストラリアでの対抗戦では代表になっていますが、富山の合宿ではJAPANOPENでの故障が心配される部分はありましたが、100mはこうしたスピードのある選手が上がってくるのではないかと思います。
200mは第一人者の金藤理絵(東海大)、実績のある田村菜々香(きらら山口)のレースの展開、そして若手では福留景子(アクアアカデミーNb)らでレベルの高い争いをしてもらいたいと思います。また中国を意識したときに、中国は20~21、2秒で2~3人の選手がいます。そのようななかでも充分に戦えるような選手だと思ってますので、そういう意識のなかで日本選手権を戦ってもらいたいと思います。
■女子バタフライ
女子バタフライに関しましては特に200mでは、中国には世界ランキング1、2、5番くらいの選手がいます。それに対抗するという意味では、距離の短いレースでは加藤ゆか(東京SC)、そして200mでは星奈津美(スウィン大教)。星はコロラドスプリングスの合宿に参加していましたが、持ち味の手と足のバランスの良さを生かした練習ができていたと思いますので、期待するところであります。
宮本悠衣(藤村女子高校)の調子が悪いという部分がありますが、この大会で復活してくれればと思います。
■女子個人メドレー
若手が活躍してくれることを期待するのが一番です。ここも中国と比べますと差がありますし、400mではオーストラリアでも34、5秒というタイムが出てきていますので、まだまだ差があります。しかし40秒を切ってくれば、この後のパンパシフィック選手権やアジア大会までの期間がありますので、代表になってからの強化は100日以上あります。
また各所属のコーチが強化に励んでいた部分がありますので、各コーチの腕の見せ所という側面もあります。
最後になりますが、期待と希望を込めて、自己ベストの更新を期待するところであります。
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